自然と共生する繋がりの宿へ


気仙沼は東日本大震災で甚大な被害があった場所です。

 

東日本大震災で旅立たれた方々を忘れない。

 

自然豊かなこの場所で、自然の優しさと恐怖、自然と共に生きていく学び

 

自然との繋がり、人との繋がりを感じられる場所を提供します。

~星逢える宿~名前に込めた思い~

星逢える宿、この名前には

 

この地に初めて訪れた時の満天の星を見た感動と、

 

東日本大震災でお星さまになった人たちを忘れないという私の想いが込められています。

 

この建物は、津波でお店も自宅も全て流されたジャズカフェオーナーの冨山さんが、陸前高田のジャズカフェ跡地に、ボランティアを受け入れる宿泊所として、震災から3年後の2014年3月11日に建てたのが最初です。

建物の色彩は、津波で色を失った被災地で、町の人を元気にしたいという冨山さんの想いからカラフルな虹色になりました。

 

その後の陸前高田市の土地のかさ上げ工事に伴い気仙沼のこの地に移動し、気仙沼で被災した伊藤さんが、コテージとして経営を始めました。

 

その後しばらく、伊藤さんが経営していましたが、伊藤さんが病気でお亡くなりになりその後約2年間空き家になっていたのを、今年のゴールデンウィークより私が引継ぎ経営する事になりました。

 

私は兵庫県神戸市出身で、阪神淡路大震災を経験し、その時の思いから、東日本大震災の起きた約1ヶ月後の2011年4月に東北にボランティアとして訪れ、そのまま12年、東北に住み続けています。

 

阪神淡路大震災と東日本大震災を通して、私は何度もご遺族の涙を見てきました。

 

もう二度と、悲しい涙が流れるような災害が起きてほしくない。

 

そんな思いから、NPO法人を立ち上げ、ご遺族に寄り添い、震災伝承に関わっており、これからも関わり続ける事が、私のライフワークだと考えています。

 

はからずも、このコテージは震災と深くかかわりのあるコテージです。

 

自然豊かなこの地で、星を眺め、星になった人たちに想いをよせ、今、生きている事に感謝し、命を感じるひと時をもってみませんか?

 

2023年7月

星逢える宿~森のコテージ気仙沼  鈴木宏

─ 色を失った町に、虹のオアシスを ─


私には、夢があります。

 

2011年3月11日、東日本大震災。

あの日、町の色も、人々の笑顔も、すべてが波にさらわれてしまいました。

 

「せめてこの場所だけは、明るい色で人の心を照らしたい」

そう願って、創設者・冨山さんが陸前高田に建てたのが、虹色の宿泊所「レインボーサライ」でした。

 

その名には、「虹色の砂漠のオアシス」という意味が込められています。

絶望という名の砂漠に、そっと湧き出る希望の泉——それが、この施設のはじまりでした。

 

その後、土地のかさ上げにより、レインボーサライは気仙沼の森へと移され、

新たな名「森のコテージ」として、前経営者の伊藤さんが、人と人とが出会い、癒される場として大切に守ってきました。

 

そして今、私はそのバトンを受け取りました。

 

震災の教訓を、風化させないために。

そして、大切な命を守るために。

 

私の夢は、レインボーサライの想いを礎に、東北各地に

「ペットと泊まれる宿泊所」

「災害時にはペットと一緒に避難できる避難所」

そんな“ふだん”と“もしも”をつなぐ宿をつくることです。

 

実際に、先日の大船渡の森林火災では、森のコテージがペット同伴の避難者を受け入れました。

しかし、全国的に見ても、ペット同伴で避難できる場所はまだまだ少ないのが現実です。

 

東北、特に北東北には、ペットと泊まれる宿泊施設が非常に限られています。

けれど、普段からペットを受け入れる体制が整っていれば、

災害時にも迷うことなく命を守ることができます。

 

だから私は、「レインボーサライグループ」として、

経済的にも自立しながら、災害時には命の避難所になるような宿を、東北に広げていきたいのです。

 

それは、単なる宿泊施設ではありません。

冨山さんの“虹のオアシス”という想いが込められた、未来への希望の場所です。

 

色を失った町に咲いた、七色の光を——

これからも絶やすことなく、未来へとつないでいく。

 

それが、私の夢です。

2025年6月

 

 

星逢える宿~森のコテージ気仙沼  鈴木宏